去る10月19日、菅沼光弘・元公安調査庁調査第二部長が東京の外国特派員協会で講演を行いました。詳しくはこちら。「日本を知るには裏社会を知る必要がある」と。ビデオを見てみましたが、一部の内容を除いて特に目新しい事実はこれといってあるようなないような...。既存の出版物を寄せ集めればこの講演の内容はほぼ構成できます。肝心のところになると「答えになっていないかもしれないが.....」で次のQ&Aへ。ネット上に色々コメントがあります。
日本政府とヤクザの関わりをめぐる質問に対しては当然ですがノーコメント。管理人としてはこれよりも次の書籍が参考になりました。2006年7月新装版「ヤクザが消滅しない理由」不空社刊。1991年に出版されたこの前の版は「ヤクザニッポン的犯罪地下帝国と右翼」第三書館刊。この1991年の日本語版には編集が入り、いくつかの点で原著とは異なる点があるといいます。紆余曲折を経て邦訳の出版にこぎつけたといういわく付きの書籍。アマゾンの商品説明によると、「世界七カ国語翻訳の国際的ベストセラーであるにもかかわらず、「日本でだけは出版できない」とされた幻の書」とあります。なお、言い掛かりをつけてくる輩がいますので書籍を推奨するつもりはありません。自己責任でお読みください。
日本の裏社会、ヤクザ史入門として読んでみるのもいいかもしれません。著者はヤクザを職能を基準として、バク徒・テキヤ・愚連隊に分類しています。さらに出身成分を基準としてその労働力の供給源を、「ほぼ七十万人の在日韓国・朝鮮人と二〇○万から三○○万人の部落民」という二つの集団にあるとしています。ヤクザの6割を同和、3割を在日韓国・朝鮮人とした菅沼氏のコメントがこれに対応するのでしょうか。「暴力団員の大部分が韓国・朝鮮人であり、テキヤ集団の多くが部落民という事実は公然の秘密だ」などのくだりもこの本で初めて知り得た事実でした。
バク徒・テキヤ・愚連隊。これがいわゆるヤクザです。その出身成分が部落と在日。これを視点を変えて見ると同和で構成する解同があります。そして朝鮮系統のネットワークとして創価と総連。さらに統一と民団。前者は北。後者は南という括りでいいのでしょうか。これらの組織がすべて裏社会であるなどというつもりはありません。念のため。菅沼氏によると文鮮明は北の出身で北とつながっているとしています。しかし、「韓国の謀略機関 国際勝共連合=統一協会(日本共産党中央委員会出版局)」は、この団体を、反共を目的とした韓国KCIAの対日工作機関だと断じています。どちらが真実なのでしょうか。自由民主党とのパイプは太そうです。週刊誌で取りざたされていますね。
「右翼の児玉誉氏夫が略奪等で得た財産を資金にして自由党が作られた。民主党と五五年に合同し、岸信介をリーダーに自由民主党が結成された」。日本政府とヤクザ・右翼の間に強力な関係が形成されてきたことはよく知られているところです。このあたりの事情については、「ヤクザが消滅しない理由」の「児玉誉士夫が暗躍した時代に何が起こったのか」が参考になります。権力犯罪の実行主体ということからすると、ヤクザ・右翼を日本政府の裏の顔とすれば、表の顔は公安警察ということになるでしょうか。1999年に周辺事態法、盗聴法、日の丸・君が代法、住基ネットができ、さらに個人情報保護法、総仕上げとして人権擁護法、共謀罪が出てきました。着々と言論弾圧の布石が打たれています。
ビラ配り等に露骨な言論弾圧を強行する一方で、公安警察は正体を隠しながら、集団ストーカー、電磁波犯罪等々陰湿な権力犯罪を日々敢行しています。法の枠内で表で処理できるものは公安警察本体扱い。弾圧を加えて言論を封殺すべきターゲットだが、現行法を適用するには無理がある場合には裏のネットワークを使うという両面作戦を展開しているものと考えられます。創価と総連については不勉強につきノーコメント。菅沼氏も「ヤクザが消滅...」もともに裏社会における同和の存在を指摘しています。統一協会は北であれ南であれ、いずれに与するものとしてもなんらかの関連がありそうです。「韓国の謀略機関...」には、「統一協会=国際勝共連合は、しばしば、公安警察とも結びついている」旨の指摘があります。
「血と骨」梁石日著(幻冬舎文庫)に次のようなくだりがでてきます。「近所の朝鮮人男性の中には『協和会』の幹部になっている者も少なくなかった。『協和会』というのは、日本人への同化政策をおしすすめ、戦争遂行に必要な労働力、軍人軍属への動員に協力させ、その思想・行動を監視し民族的なるもののいっさいを抹殺・弾圧する警察行政の一翼を担った団体である。彼らは肩で風を切って日本人面をして官憲に協力していた」。戦時中に存在したものであるとはいえ、特高の片棒を担いだ朝鮮人組織の命脈が現代において途切れていると断言できるのか。内務省・特高の残党がいまだに生きさらばえていることからして、この種の悪しきネットワークが消滅したとはいいきれないのではないかと考えます。
元へ戻ります。菅沼・元公安調査庁調査第二部長が指摘した裏社会はほんのさわりにすぎません。素人の管理人が見た限りでもそれほど内容の濃いものではなかった。そしてこの人の講演の真の狙いはどこにあるのか。出版物を読めばわかる程度の内容を提示し、質疑応答を通じて訴えたかったことは何なのか。安倍内閣が提唱する日本版国家安全保障会議(NSC)について、「新しい情報機関は金とヒトを集めればできるものではない。情報の収集・分析には十分な経験と豊富な蓄積が不可欠」と。この一点に集約されるような気がします。公安調査庁の意を受けて、同庁こそ日本に不可欠の情報機関であることを主張しておきたかったのではないかと。
Posted at Nov 13 2006 08:25 | Comment(0)
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